ラグビーにおけるストーミングの考え方

サッカーはラグビーよりも言語化や体系化されていることが多いためラグビーで転換できることが多くあります。今回はサッカーから「ストーミング」について書いていきます。
ストーミングとポジショナルプレー
シェイプやポッドは3人や4人のユニットを形成することでBDを安定させてボールを動かして防御を崩していくため、サッカーでいうポジショナルプレーに当てはまります。そしてラグビーではコンテストキックなどのキックを使ってカオスへ持ち込むまたは前進したところに防御からプレッシャーをかけるのはサッカーでは「ストーミング」と解釈できます。
ストーミングはボールポゼッションを相手に渡すのを許容して優位な位置にボールを運ぶこと。ボールを対戦相手に奪われたとしても敵陣でプレッシャーをかけることで奪還を目指すという考え方になっています。
ポッドやシェイプはチームのポゼッションを高めるためにユニットやフォーメーションを組むので自分たちのバランスを保ちながら対戦相手を崩していくのに対して、ストーミングは自分たちのバランスを崩してでも相手のバランスをさらに崩して優位性を生み出していくので、それぞれ戦い方を分けることができます。
2019ワールドカップ
「これまでになかったラグビー戦術」を書かれた井上さんによるとワールドカップ ではハイパントの攻防が増えたことでスクラムの試合平均が前回大会から13回→18回に増えたこともあり、スクラムと防御が優位だった南アフリカが優勝した要因だと書かれていれています。つまり南アフリカはストーミングを使いワールドカップ を勝ち抜けてきました。
まとめ
ワールドカップ でジャパンのアタックはポッドを使った可変式ポッドでポゼッションを保ちながら防護を崩していくことからポジショナルプレーと考えられて、よくボールが横に動きます。南アフリカはボールを動かすリスクを減らして、コンテストキック、BDやセットプレーからプレッシャーをかけることで、ボールを手放しながらでも前進することを目指しているのでストーミングという考え方になります。