ダイナミックかつカオスに進んでいく不確定要素の多いラグビーにおいて、ゲームモデルを持つことでそれらに対応していく。ゲームデモルは選手のプレーを制限したり、強制的に縛るものではなく、プレーの方向性を示すものであり、プレーの基準として選手に理解してもらう。ゲームモデルを持たないチームは個々ががむしゃらに頑張るしかないので「孤軍奮闘」になる。孤軍奮闘にならないためにコーチはチームや選手にゲームモデルを浸透させていく。そのためにゲームモデルに沿ったゲームセンスをデザインしていく。
ラグビーだけに限らずチームスポーツにおいて大切なことはゲームモデル共有し、「どのように頑張るか」を決めていく。
ラグビーにはボール保持、ボール非保持、ポジティブトランジション(防御から攻撃)、ネガティブトランジョン(攻撃から防御)の4局目がある。
例えばネガティブトランジションが起こった場合のゲームモデルが「プレッシャーよりもDFラインを構築を優先する。」(サッカーだとリトリート)とする。これらをチーム全員が意識できるまでトレーニングを続けることで、ターンオーバーが起きれば、「ボールキャリアへのプレッシャーを減らしスペースを守る」プレーが自動化される。ゲームモデルはゲーム中に「選手が自動的に頭に思い浮かぶもの」になる。つまりラグビーにおける無数のプレー選択肢がある中で選手が自由に判断する方が難しく、ゲームモデルがあれば頭の中で「何を行うのか」が整理されるため選手が選択できるようになりプレースピードが上がる。
明確なゲームモデルをトレーニングしていくことでダイナミックかつカオスに進んでいくラグビーの不確定要素を取り除き、15人がゲームモデルを共有することで組織として連携を保つことが可能になる。