ラグビーチームのモルフォサイクル

戦術的ピリオダイゼーションは従来のピリオダイゼーションでフォーカスされなかった「戦術的疲労」も含まれるようになりました。この理論で欠かせないゲームモデルから逆算されたプレー原則と「練習の方法」になります。今回は戦術的ピリオダイゼーションで考えられる練習の際に大切になるモルフォサイクルについて書いていきます。
モルフォサイクルとは?
モルフォサイクルは1週間のリサイクルの事を指します。週末などのゲームに向けて、1週間のサイクルでトレーニングの負荷を調節していきます。そして戦術的ピリオダイゼーションを意識して練習を組み立てていくことで「ゲームモデル」「プレー原則」の習得につなげることができます。
モルフォサイクルの考え方
陸上競技やウエイトリフティングなどは短期間での試合にパフォーマンスがピークを迎えるようにトレーニングを計画していきます。しかしラグビーではシーズンが数ヶ月あり、長い間ピークをキープするのが難しくなります。そのためラグビーではパフォーマンスを一定に保つため、トレーニング計画が必要になるという考え方から生まれたのがモルフォサイクルになります。
仮想モルフォサイクル
日曜日をゲームとして仮想の1週間の負荷の調節ができるようにモルフォサイクルを作成しました。チーム事情や環境によって異なってきます。
- 日曜日 ゲーム
- 月曜日 完全休養
- 火曜日 アクティブ
- 水曜日 パワー
- 木曜日 持久力
- 金曜日 スピード
- 土曜日 アクティベーション
このサイクルはフィジカルの要素になります。ゲーム直後の2日間はゲームで身体に残った疲労やダメージを回復させるためにゲームの翌日を完全休養、翌々日はアクティブレストを取り入れていきます。水曜日から強度を高めていき、土曜日で翌日に控えるゲームに向けた調節に入っていきます。
それではここからは仮想モルフォサイクルを作成していきます。
- 日曜日 ゲーム
- 月曜日 完全休養
- 火曜日 身体的:強度低 戦術的:強度低 リカバー重視
- 水曜日 身体的:強度中 戦術的:強度中 パワー重視
- 木曜日 身体的:強度高 戦術的:強度高 持久力重視
- 金曜日 身体的:強度高 戦術的:強度高 スピード重視
- 土曜日 身体的:強度低 戦術的:強度中 アクティベーション
文字だとかなり分かりにくいですね。。
画像をつくってみました!!

グラフのように強度を10段階に仮定して主観で作成しました。ゲームと木曜日に身体的・戦術的負荷を同等と仮定しました。木曜日をピークに身体的・戦術的負荷は下降していきますが、戦術的負荷は身体的負荷よりも高さを保つように仮想してみました。次回はモルフォサイクルの曜日に行うピリオダイゼーションを曜日に分けて詳しく書いていきます。