ラグビーのゲームモデルの構成要素




ラグビーのゲームモデルの構成要素

画像:photAC

戦術的ピリオダイゼーション理論(以下戦ピリ)はシステム、ゲームモデル、トレーニングの3つの柱からなる理論で、ゲームモデルは特に欠かせない概念になります。今回はサッカー界では当たり前のように出てくる「ゲームモデル」を作る際の皆さん一助になれば幸いです。

なぜゲームモデルは必要か?

仕事やプライベートで初めて行く場所は事前に調べたり、スマホの地図アプリや車のナビで目的地に辿りつくことができます。これらのコンテンツなしで、地図もナビもなしで知らない場所に行くのは時間がかかるだけでなく、目的地と真逆に進む可能性もあり、たどり着かない可能性が出てきます。つまりゲームモデルは地図や車のナビと同じ役割を果たしてくれる「チームが目指す指標」になります。

ゲームモデルの構成要素

  • プレーイングアイデア
  • チームの歴史や文化
  • 選手
  • 目標
  • その他

プレーイングアイデア

コーチや監督の理想になります。「こんなチームを作りたい」「こう言うラグビーをしたい」コーチの数だけ理想やアイデアがあると思います。これがいわゆるプレーイングアイデアになり、つまり「自分たちのラグビー」になります。

チームの文化や歴史

JapanのHCなどは「日本の文化を理解して・・・」などの文言が記者会見などで使われることがあると思います。つまりそのチームの歴史や文化また特徴にあったものが含まれます。大学の監督がOBが多いのはチームの文化や歴史に触れてきたということが考慮されているためだとも考えられます。

選手

チームに在籍している選手によってもゲームモデルが変わってきます。セットプレー防御・ストーミングで2019ワールドカップ日本大会を制した南アフリカがポゼッションを重視してアタッキングラグビーを掲げていたとすると上手くいかないことが予想されます。つまり選手もゲームモデルを作る上では大切な要素になります。

目標

リーグで優勝するのか、また残留をかけて戦うのかでも目標は変わってきます。例えば「日本一になる」という目標があった場合、現時点では2部リーグだと日本一にはなれません。理想と現実の目標設定が大切になります。

その他

その他は

・予算
・専門的知識(コーチ)

フィジカルで優位に立ちたいと考えた時はジムやトレーニングの器具があるなど予算が関わってきます。
さらにフィジカルで優位に立ちたいゲームモデルの場合、フィジカルコーチや自身にその知識がない場合はフィジカルを優位に掲げるゲームモデルを掲げるのは難しいことになります。

ゲームモデルはコーチを助ける

ゲームモデルはコーチを助けてくれるものになります。スポーツである傾向の法則からチームのトレーニングの割合を手助けをしてくれます。

例えばポゼッションを70%とる戦略のチームの場合、全体の練習の70%はボールを持った練習することが望ましくなります。つまりポゼッションを70%とるのにディフェンスを70%費やすのは効率が悪いことになります。つまりゲームモデルを掲げると傾向の法則からもトレーニングメニューを組み立てやすくなります。

エコロジカルトレーニング

ゲームモデルがないというのは地図を持たずに初めて行く目的地を目指すことになります。これでは効率は悪いと考えられますが、近年、反・戦術的ピリオダイゼーションと言われるエコロジカルトレーニングという考え方もあります。戦術的ピリオダイゼーションとエコロジカルトレーニングは考え方が対立していますが、どちらもラグビーというスポーツを「複雑系」で捉えていることは共通しています。